水島新司"ドカベンスーパースターズ編(18)"

きっついなあ。表紙がきつい。
これを、のだめカンタービレ(18)といっしょにレジに持っていったのだから辛い。同じ18巻なのにね。

この巻は、30歳になる山田達の人生の転機が描かれるようになる。具体的には結婚についてなのだが。プロ野球編から通じても、ドカベンで人間ドラマが描かれることは稀なので、ここは素直に評価したい。だからといって明訓四人衆まとめてエピソードを作るあたりが御大らしくて良い。


あれ?微笑三太郎は?


さらに特筆すべきことは、あの、記録のおろそかにする御大が、思い出したかのようにドカベンキャラたちの通算成績を話題に持ち出してきたことである。おもしろいので抜粋してみよう。

  • 里中 149勝
  • 山田 490本塁打 1998安打
  • 岩鬼 397本塁打 2399三振(現役最多)
  • 不知火 199勝
  • 土門 179勝
  • 殿馬 2200安打

※全選手とも12年間の記録

さて。こうしてみると、投手としては、不知火>土門>里中という構図ができあがりそうだが、里中は入団して2年は抑えだったため、先発としては実働10年である。ということは、ほとんどの勝ち星はこの10年で積み重ねたものであると考えられる。では、年間の勝ち星の平均で考えてみると、

  • 里中 14.9勝*1
  • 不知火 16.6勝
  • 土門 14.9勝

うわっ、うまいことできてるなあ!!ということは、不知火>土門=里中となるわけですね。
しかし、このローテーション時代に12年で200勝(近く)とは・・・。ちなみに、

  • 松坂大輔 108勝(8年) 年間平均 13.5勝

数字だけで見れば、この三人は松坂を軽く上回る投手であることがわかる。



次に、打者の記録を見てみよう。これも年間平均で考えてみるとわかりやすい。

これも驚異的である。他のプロ野球選手と比べてみると、

山田、岩鬼本塁打は、まあいいとして、安打、特に殿馬の記録は異常すぎる!!イチローよりすごいってあんた・・・。これで、山田は世界の王を超える、という伏線が張られたわけですな。あと10年は連載しなければならないわけで、これはこれですごいことです。ちなみに、岩鬼の三振の記録は、プロ野球記録です。現実の一位は清原和博

  • 岩鬼   2399三振(12年) 年間平均 200三振
  • 清原和博 1944三振(21年) 年間平均 92.6三振

これも驚異的。しかし、これは納得。



で。



微笑三太郎は?

*1:もちろん、入団当初の二年間で勝ち星がなかったら、と仮定した場合である。

*2:日本での成績のみ