Deerhunter & Akron/Family @十三ファンダンゴ

Set Em Wild Set Em Free

Set Em Wild Set Em Free

本当はDeerhunterめあてだったことを初めに告白しておきます。
仕事で行けるかどうか分からなかったが、何とか行けたので、当日券で観覧。


クールビズ姿の小学校教員、ワタシ今年で29歳。


つくづく思うのは、前回のNo Ageでもそうだったのだが、スーツ姿のおっさんはいないものの、年齢的には自分と変わらない奴らばっかりのくせに、全然仕事帰りの風情を醸し出していない奴らが多すぎること。何これ?みんな業界関係者かニート


さて、Deerhunter。フツーにかっこよかった。演奏はうまいとは言えないものの、彼らの新作から伝わってくる精神性はしっかりと伝わってきたよ。ギターノイズっていいね。お酒を山ほど飲みたくなるね。



でも。




でもまさか。



アクロンなら毛糸洗いに自信が持てる程度だと思っていました。明日も仕事だし、帰ろうかな、とちょっと思っていました。液晶モニターにはMTVが放送中で、忌野清志郎篠原涼子とかとチョメチョメしてました。少し悲しい気持ちになってました。




しかし、Akron/Familyは、最高のパフォーマンスをみせてくれました。


最新作は、フォーキーな感じが満載の、じっくり聞かせてくるかとおもいきやのそんなことねーので驚いたのですよ。いいか、今からここに書くことは直感と妄想が適度にブレンドされた幻覚文であって決してアルコールを摂取しすぎたわけではない。だからこそ言う。Akron/Familyは最高のライブをみせてくれた。

こんなにすごいライブは体験したことがない。狭いハコだからということもある。しかし、がっちりと観客の心をつかんだまま話さず、鷲づかみのハートは放り投げられたかと思いきや、太平洋を横断し、彼らの故郷であるペンシルバニアを飛び越え、ホームグラウンドであるニューヨークをも越え、大西洋に落下しました。

ライブではちっともフォーキーじゃなく、爆音轟音。そこに超絶技巧が加わる。特にリズム隊すごい。さりげなく変拍子を入れてくる。本当にさりげない。まった気がつかないうちにリズムが変わる。その変化もまた気持ちがいい。そして、観客を巻き込んでのパフォーマンス。強引に盛り上げさせれば、そのままの勢いで高度五万メートルは打ち上がる。ごらん、あれが地球だよ。丸いだろ?

この日はドラマーの誕生日。エンジニアの誕生日でもあった。エンジニア自由だったなあ。演奏中でもガンガン客席に降りてくる。だれかれ無しに話しかける。おまえ、仕事しろよ。でも、楽しい。ああそうか、アクロン/ファミリーのファミリーはこういう意味なのかもしれない。アメリカの片隅の音楽と、大阪の隅っこのライブハウスで、こんなすごいことが起きるんだから、憲法九条を改正しようとしているどっかのアホな新興政党はつぶれてしまえばいいと思う。



この後日本中をまわったアクロン一家。これを見なかった人たちは後悔するといいです。