No Age @鰻谷sunsui
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ゲストはTelepathe。ニューヨークは今、大変なことになっているらしい。
Animal Collectiveとかに代表されるような祝祭感。
アンダーグラウンドにありながらも、地表すれすれのところで極彩色のペンキを塗りたくっているあの感じはいったい何なのか。
ポップと言うには足りない、しかし、オルタナティヴでくくるわけでもない。
太鼓を叩く。
どーんと響く。
あの、ピンと張った皮が、何万回と振動すると、空気も同じように震えて、
鼓膜だけでなく、体中の皮膚を震えさせる。
誰もが体験したことがある、あの感じ。
ものすごい原始的な何か。
音楽がまだ、売り物でなかった時代の何か。
手拍子を叩くと気持ちがいい、あの感じ。
子どもの頃の、意味の分からない鼻歌、替え歌。
盆踊り。
商業化されていない音。
心に響く音。懐かしい感じがする。
おしゃれとはほど遠い何か。
ノーミュージック・ノーライフでないミュージック。
匿名の誰かではなく、あなたとつながるための音楽。
ギター一発、スネア一発で、両拳を高く突き上げる。
歪みまくったノイズだらけの空間に、高く突き上げる。
知ってるか?ノイズは手のひらで捕まえることができるんだぜ?
歌声など楽器以下で、音でしかない。
それでも響くのは、言葉。英語でも、日本語でもない。
その空間にいる人間だけが共有できる言葉だ。
ごく少数で、シンプルに鳴らす。
嘘ではない音楽。
ファーストフードではない音楽。でも、本物でもない。
添加物だらけの駄菓子が僕らのごちそうだった。
駄菓子のような音楽。スーパーでは買えない。
世界の最先端ニューヨークで鳴らす音楽は、まるできなこ棒のような味がした。
子どもの頃の記憶、安心しきって遊び、転げ回っていたあの頃。
放課後の夕暮れや、夏休みの照りつける太陽や、一面を別世界に変える白い雪。
祝祭感は、子どもの頃の記憶を呼び覚ます。
これは、僕らの音楽だ。海の向こうからやってきた、僕たちの音楽だ。