Brakes"The Beatific Visions"「ブームのすみっこらへんにあるもの」
- アーティスト: Brakes
- 出版社/メーカー: Rough Trade
- 発売日: 2007/02/06
- メディア: CD
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ESPは2002年くらいに試聴買いした記憶がある。両バンドともにブラー直系にあたる伝統的な(=ひねくれたセンスを持った)英国のバンドという印象であった。実に僕好みである。そんな彼らだが、結成は2002年と以外に古く、結構昔からサイドプロジェクト的なものとしてやってきた様子を伺わせる。みょうちきりんなリフ中心の、ヘロヘロボーカルから放たれる歌詞は「Porcupine or Pinapple?」(ヤマアラシかパイナップルか?)わかるだろ、そんなもん。てゆーかお前、「パイナポー」って言いたかっただけだろ。
2002年当時の英国は、ストロークスが投下したガレージ・ロックが炸裂し、ガレージ・ギター・バンドが大増殖。彼らもどちらかというとその類として括られていたきらいはあるが、どうにも彼らの腰のすわりの悪いポップセンスは、巷のリバイバル・ブームの波にはさらわれなかったらしい。ポスト・パンク的なものが大流行している現在においてもまた、相変わらずのスタンスでメロディをつむいでいる姿を見ると、ふと安心するのである。このゆるさ。しかし、各トラックもバラエティに富んでいて、なかなか飽きさせない。
奇しくも同じくらいの時期に発売されたClap Your Hands Say Yeahの新作。昨年、彗星のように現れたインディー界の新星によく似たバンドが4年も前からいたんですよ、イギリス人のみなさん。どことなくブームにのっかっているようで、いつでも落っこちそうな位置にいる不思議なバンド。かと言ってそれは実力不足からくるものではなく、そのヘロヘロとした軟体生物のようなスタンスからそのような位置につけているだけであって・・・
そうか、クラゲに似てるんだ。このバンド。
*1:どうでもいいが、両バンドのイニシャルが似てるなあ。