藤田和日郎「からくりサーカス」

からくりサーカス (43) (少年サンデーコミックス)

からくりサーカス (43) (少年サンデーコミックス)

うしおととら」も大好きなんだけれども、こっちもすごく好きだ。登場人物が、どんどん死んでいく。しかしそれは、無駄な死ではなく、とても意味のある、大いなる死である。「死に様など無く、あるのは生き様だけだ」とは王欣太の弁だが、まさに生き様が丁寧に積み重ねられているからこそ、その死に重みがあり、僕の胸を打つ。*1

だからこそ、最後のカーテンコールはよかった。このマンガの「死」には必ず救いがある。そして、この物語の終わりにも、そのルールが適応されてしかるべきだろう。敵も味方も、手を取り合って観客の万雷の拍手に笑顔でこたえている。マンガでカーテンコールなんてありえないし、ただの作者の自己満足としか捉えられなくも無いが、この終わり方は今まで僕が読んできたマンガの中で、最高のラストシーンだと言ってもいい。

*1:個人的にはギイが死ぬ時が一番やられた。