くるり「「お前らもっとひけ」という岸田氏の言葉に頷く」

"くるりワンマンライブツアー2006 〜まZEPPご飯!〜"
@ZEPP大阪

今年のサマソニ以来。その間に実はクワトロで1回やってたりもするくるり*1。よく働きますな。ここまでのライブをやるとは思ってもみなかった。1曲目から4曲目までまさに怒涛のごとき演奏。選曲もすばらしい。サマソニでは個人的に不完全燃焼だったので、このセットリストには大満足である。ほとんどアンテナ以前の選曲、しかも非常にバラエティ豊かであった。改めてくるりの引き出しの多さに驚かされると共に、今のメンバーでどれだけ過去の曲に命を吹き込むことができるのかという手応えを感じるためにやっていた印象を受けた。特にワールズエンド・スーパーノヴァは秀逸。全員が打楽器と化し、文字通りグルーブを叩き出していた。

4thアルバム「World Is Mine」を頂点として、5th「アンテナ」でツェッペリン臭を感じる70年代、6th「NIKKI」では60年代のブリティッシュマナーを感じさせる作品を完成させた。時代に逆行しつつも、現代の視点から再解釈してみせ、ポップに蘇らせる技量は右に出るものはいない。そしてそんな彼らが次に目指す地点とは。その方向性を感じさせられるライブだったと思う。多分、ブルース&カントリー。50年代のアメリカ、ロックの原点への帰還であると共に、故郷京都への帰還でもあろう。まあ、所詮しがない男の予想ではあるが、おそらく遠からず。

阪神ネタもふんだんに*2、下劣な下ネタもあった*3。あんまりサービス満点なので、「もしかしてこれで最後?」などという言葉が頭をよぎるが、杞憂に終わりそうだ。彼らは今まさに、次のステップに進もうとしているところなのだ。アンコールは圧巻だった。Race→街→人間通。これは本人も言っていたが、あんまりなアンコールだろう。特に人間通をラストに持ってくる辺りが、意外性よりもいやらしさを感じた。でもそのいやらしさが破壊力抜群で、今日一番といってもいいくらいのデキ。演奏後は、全員で打楽器を持って、会場内を行進した。いやー、ZEPPクラスの会場でもこんなことできるんですね。これにはさすがにおどろいた。もう、ほんとに訳わかんないエンディングだった。でも、すばらしかった。「ばらの花」を楽しみにしていたみなさん、残念でした。


セットリスト

01.ワンダーフォーゲル
02.青い空
03.ハイウェイ
04.東京
05.ワールズエンド・スーパーノヴァ
06.ハローグッバイ
07.リバー
08.惑星づくり
09.ブルース
10.飴色の部屋
11.THANK YOU MY GIRL
12.春風
13.Baby I Love You
14.Ring Ring Ring!
15.Superstar
16.ロックンロール
17.How To Go

18.Race
19.街
20.人間通

*1:よめさんが見に行ってた。サマソニとセットリストがほとんど同じだったらしい。

*2:鳥谷、鳥谷言うてた。

*3:ペットボトルの中身を「精子」やと言うてました。爆笑を耐え最低です。