ワッツーシゾンビ「ブッダマスクエクスペリエンス」

ブッダ マスク エクスペリエンス(BUDDHA MASK EXPERIENCE)

ブッダ マスク エクスペリエンス(BUDDHA MASK EXPERIENCE)

毎日、仕事中でも、こいつらの「からっぽだから」が頭から離れない。結構中毒ぎみ。関西アンダーグラウンド界隈では「関西ゼロ世代」って呼ばれてるうちの一つらしい。関西アングラシーン。今まで知らなかったなあ。こんなに近くにいたのにね。

ベースレスのツインギターの3ピース。そこよりも特筆すべきは谷村じゅげむの高音ボーカル。業界用語で言う「青い春」をシャウトする妄想マスターベーション・リリックは、ゴイステや銀杏ボーイズで確立された手法であるが、いかんせん彼らの方が世代的にも共感できる部分が多い。大阪弁混じりやし。*1ゼロ世代に共通的なノイズとアヴァンギャルドさだけでなく、時折ポップさも見えるセンス。

何より心を捉えたのは、その懐かしさ。明らかにパンク〜グランジ周辺をうろうろしていた形跡があるにもかかわらず、時折彼らの音の隙間からのぞき見えるのは、おそろしく昔聞いた、祭囃子。どうでもいい替え歌、鼻歌。調子はずれの音階で友達を誘うあの大音声。「からっぽだから」を初めて聴いたとき、こどもの頃、母方の祖母に手を引かれて参加した夏祭りのみこしかつぎを思い出したのは、あの字たらずなリリックのせいだろう。*2明らかにリズムに合わない文字数は、子どもの頃、訳もわからず繰り返した祭りの口上そのものだったから。

愛想無しでも君が好き。言ってる僕にはなんにもないけど。今正にヘビーローテーション中である。

*1:実際良く知らないが、たぶん彼らは同年代だと思う。ライブを観ていて、直感的にそう思った。

*2:蛇足ではあるが、対称的に字余りのリリックはフォークだなあと思った。吉田拓郎とか。