太田垣康男「MOONLIGHT MILE(12)」


MOONLIGHT MILE 12 (ビッグコミックス)

MOONLIGHT MILE 12 (ビッグコミックス)

 相変わらずおもしろい。というより、面白さがどんどん加速していくように思える。
はじめ読み始めた頃から、キャラクターの魅力がどんどん膨らみ始めているのが分かる。それは、作者がエピソードを丁寧に積み重ねてきた成果であると言える。

 本当に顔の見えない漫画家だなあと思う。意図も、メッセージも感じない。ただそこにいて、見たことを記録していく、そんな筆致を感じる。だからすごくリアルだ。マンガの世界の中にこんなにのめり込んだのは久しぶりだ。スラムダンク以来かもしれない。(いや、蒼天航路かもしれない。)

 ジージがビデオの孫に向かって、カツラも頭からずり落ち、ポロポロ涙を流しながら、赤ちゃん言葉で、「帰りたい、帰りたいけど・・・ジージはね、ジージの意地があるんでちゅよ・・・」というシーン*1。笑えるシーンなのかもしれないけど、恐ろしいくらいにリアル。

あとこの人「引き」がものすごくうまい。次の話がどうなるかドキドキするじゃないか。

とにかくものすごく面白い。1巻から揃えなおそうかな・・・。

*1:P138